• 2025.05.13
  • シドニー上空を小型飛行機で空の旅
新しい経験は誰しも最初は緊張するものですね。もし、信頼できるパイロットが案内してくれるなら、小型飛行機に乗って空の旅を体験してみたいと思いませんか?
私は先日、シドニーでパイロットの資格を持つ友人に誘われ、週末に小型飛行機に乗るという貴重な体験をしました。彼は天気の良い週末になると、飛行場に行き、自身で飛行機を操縦して空を飛んでいます。今回は私を含めた3人の友人と共に空の旅へ案内してくれました。
当日は少し緊張しながら現地へ向かいました。飛行場はシドニー中心街から車で約30分ほど。こんなに近くに飛行場があることにまず驚かされました。到着後、まずは飛行機の機材チェックが行われます。パイロットである友人が念入りに、機体の中と外を15分程かけて確認していました。その後は給油です。大きな給油車が現れ、燃料を補給します。出発前には簡単な安全説明を受け、安全チョッキの装着や気分が悪くなった時の対応方法、そして会話のためのヘッドフォンの装着などがされました。
搭乗する飛行機は4人乗りで、隣の人との距離も非常に近く、扉もすぐ横。シートベルトを締めると、緊張感が一気に高まりました。滑走路を滑り始め、あっという間に空へ。とてもスムーズな離陸だったため、空中にいるという実感が不思議と湧かず、夢の中にいるような気分でした。
そこから高度を上げ、町並みが次第に小さくなっていきます。街を抜けると、青い海と白い砂浜が広がるビーチが見えてきました。実際に訪れたことのある景色を空から眺めるのは、本当に贅沢な経験です。空の上から見ると、車やボートがまるでおもちゃのようでした。
飛行時間は約1時間半。パイロットが安全な空路を選び、美しいシドニーの街並みやビーチ、そしてブルーマウンテンの山々を案内してくれました。高度が高いと、まるで空に静止しているかのような感覚に包まれましたが、実際の速度は200キロにも達していたと聞いて驚きです。
旅の終わりには静かに滑走路へ着陸。穏やかな天候のおかげで、揺れもなく快適なフライトとなりました。遊園地のアトラクションよりもドキドキした体験でした。
空の旅を終えて強く感じたことがあります。それは、非日常だと思っていた体験が、実は誰かにとっては日常であるということ。私にとって小型飛行機での飛行は特別な出来事でしたが、友人にとってはほぼ毎週末の習慣なのです。
そこでなぜ彼が空を飛ぶのかを尋ねてみました。彼は平日、非常に忙しい職場で責任ある仕事をしており、ストレスも多いとのこと。そんな中、週末の飛行はまさにリフレッシュの時間。自分の時間を大切にするオーストラリアのライフスタイルが反映されています。また、操縦技術の維持のためにも、継続的に飛行する必要があるそうです。
少し極端かもしれませんがこの体験を通して、誰かにとっての"日常"が、他の人にとっての"一生に一度の出来事"になり得るのだと感じました。例えば私が日本で週に3回温泉に行くという日常も、オーストラリアの人にとっては夢のような経験なのかもしれません。
今回の空の旅は、間違いなく私の人生で忘れられない思い出のひとつとなりました。



特派員

  • 藤田 博子
  • 職業書道家

日本の伝統文化である書道を海外に発信し、現地の方々との繋がり、様々な情報を発信していきたいと思います。

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